Webマーケティングとは
「マーケティング」は日常の生活でもよく耳にする言葉ですが、その実態を説明しようとなるとなかなか難しいのではないでしょうか。一言で言えば、モノがよく売れるような仕組みを考えることになります。マーケティングにもいくつか種類がありますが、今回はマーケティング初心者の方にも分かりやすくWebマーケティングについてのお話をさせていただきたいと思います。
Webマーケティングとはその名の通り、Web(インターネット)を用いたマーケティングの方法です。今日では情報化も進み、インターネットによるサービス提供の需要が増しています。サービスを提供する中で、どうすれば顧客を集めることが出来るのか、収益をどうやって確保するのかを戦略的に考えることをWebマーケティングといいます。
Webマーケティングとマーケティングの違い
Webマーケティングはマーケティングの一種であることをお伝えしましたが、他のマーケティング方法と何が違うのでしょうか?その違いをいくつか挙げてみました。
- 市場の違い
- 顧客の数
- 信頼度
Webはご存知の通り、不特定多数の人が利用できるシステムです。ですので、そこでマーケティングをするということは、顔の見えない人をお客さんとして相手にしなければなりません。
例えば「地元の商店街で野菜を売るマーケティング」と「Web上で野菜を売るマーケティング」の違いを考えてみましょう。前提として売る品物は変わらないこととします。
まず、市場(しじょう)の広さに大きな違いがあります。地元の商店街は利用者のほとんどがその地域に住む人です。一方Webでは全世界の人が利用してくれる可能性があります。市場の違いから相手に出来る顧客の数が全然違うことは簡単に想像できます。
しかし、信頼の面ではどうでしょうか。地元の商店街では人同士の結びつきが強い分、顔なじみであればどんどん買ってもらえます。Web上ではお互いに顔が見えないので信頼感という面では明らかに劣るはずです。
このように、マーケティングする場所が異なることで様々な違いが生じてきます。これがWebマーケティングとマーケティングの違いと言えるでしょう。
Webマーケティングの重要性
Web上でマーケティングすることはどれだけの効果があるのでしょうか。それはインターネット市場の大きさを考えれば一目瞭然です。日本国内のインターネットの人口普及率は83.5%であり、人口数にして1億84万人。いかに多くの人が使っているのかがお分りいただけると思います。この莫大な人数を相手にしてマーケティングをするメリットがあることを、マーケティング初心者の方でも理解してもらえるはずです。特に最近ではスマートフォンでのインターネットアクセスが主流となっているので、より身近にインターネットを利用することが出来ています。これからも、利用者が増えていくであろうインターネット市場に参入しておくことは必須と言ってもいいのではないでしょうか。
インターネットがこれだけ普及した今、ビジネスにおいてWebマーケティングは非常に重要です。
Webマーケティングの歴史
Webマーケティングの歴史は、全てのマーケティングの歴史と比べるととても浅く、インターネット市場は近年成長を遂げているマーケティングプレイス(マーケティングする場所)といえます。マーケティングの始まりは活版印刷による紙媒体での広告であり、始まりは1450年でした。当然のこの時代にはWebというものは存在せず、マーケティングという考え方もないまま、後のマーケティングとして発展していったのかもしれません。
一方で、Webマーケティングの始まりは1994年でした。アメリカの会社が初のバナー広告を掲載しました。現在でこそ、Web上の広告としては当たり前のバナーですが、当時では画期的な広告手段として広まっていったようです。
最近では動画を用いた広告やブログ、現実世界と連動した広告方法など、マーケティングの手法は日に日にバリエーションを増やしています。ブログなど、読者にとって価値のあるコンテンツを作り、商品の購入へ誘導、最終的にはその商品のファンとして根強い支持を得てもらうようマーケティングする方法をコンテンツマーケティングといい、現在の主流のマーケティング手法です。
それでは、より詳しいWebマーケティングの移り変わりを年代別に紹介していきたいと思います。
Web広告(1994年〜1999年)
前述しましたが、Webマーケティングの始まりは、アメリカの会社によって掲載されたバナー広告でした。Webにバナー広告を載せることでより多くの人の目に入る他、その広告がどのくらい見られていてどれくらいの人が興味を持っているのかを分析することが出来ます。
今現在ではあまりクリックする人はいないかもしれませんが、バナー広告という考えが一般的でない時に「ここをクリックして!」と表示されていたらどうでしょうか?無意識に押してしまうかもしれません。これを機に紙媒体であった広告手法がオンラインへと変わっていきます。まさに、Webマーケティングの幕開けです。
オンライン上に広告が表示され始め、インターネットの普及とともにWebページ数も増加していきます。こういったWebページを検索する機能として「検索エンジン」が考案されました。
1995年にYahoo社が検索エンジンをリリースします。このときはWebサイトの管理者が自身のページを検索エンジンに登録する、という作業をしていました。Webサイトが爆発的に増えている一方で、手作業での登録はかなりの時間がかかったといいます。
登録作業の難航を皮切りに、新しい検索エンジンのカタチが世の中に出回ります。それが、Google社製のロボット型検索エンジンです。Webページを公表してさえいれば、ロボットがインターネット上を巡回して順次登録してくれます。新しい仕組みが出来て、検索できるWebページはかなり増えました。
これにより、Webページをいかにロボットに拾われやすくするかを競争する世界に突入しました。
SEO(2000年〜2003年)
一般的に検索エンジンが広まると、上位に自身のWebページが表示されるようなWebマーケティングの手法を講じるようになります。上位に表示されることで人目につく回数も多くなり、結果として集客につながります。このように検索エンジンに上位表示してもらうために施す手段のことをSEO(Search Engine Optimization)、検索エンジン最適化、と言います。これは現在のWebマーケティングにおいても重要なことであり、検索エンジンに好まれるようなWebページを作成することでかなりの効果を発揮します。余談ではありますが、検索表示順位において1番目と2番目では2倍ほどクリック率が異なります。もちろん、2番目と3番目でも閲覧数に大きな差が出来ています。いかにSEO対策が重要であるかが伺えるかと思います。
バイラルマーケティング(2004年〜2009年)
Webページを作成することが当たり前となったこの時代、主流となった手法がバイラルマーケティングです。これは、人同士の口コミによって成り立つマーケティング手法です。ある商品を利用した人がその商品を他の人に紹介…と伝染していくことによって広告されます。Web上で簡単に宣伝できるような仕組みを作ることで、意図しなくても勝手に情報が広まってゆく手法がバイラルマーケティングです。
バイラルマーケティングが成功すれば、急激に情報が広がります。しかし、いいことばかりではなくデメリットもあります。ある意味、伝言ゲームのような情報発信方法なので情報の信ぴょう性が疑われます。誤った情報が流れてしまったり、意図しないような情報の広がり方を見せることもあります。これらを管理することが難しいので、しっかりとした戦略の上で実行することが大切であると言えました。
コンテンツマーケティング(2010年〜)
今日では、コンテンツの質が重要視されます。ただ単に、商品のいいところを紹介してもマーケティングとして成功することは難しく、信頼性が非常に重要になってきます。
ブログやSNSでマーケティングをするためには、それらを読んでくれる読者が必要です。まず、Webサイトに訪れてくれるような戦略を立てなければなりません。サイトに訪れてくれた時点で、次は商品を購入するように仕向ける情報量が必須となります。これらが相まってこそ、コンテンツマーケティングの成功に近づけます。
消費者にとって価値のある情報を提供し、ファン化しなければモノは売れない時代に突入しているわけです。
現在のWebマーケティングの主流はコンテンツマーケティング!!
Webマーケティングの手法
Webマーケティングを施すということはWebであることのメリットを最大限に生かしつつ、マーケティングすることが重要です。Webでマーケティングするメリットは下記にあります。
- ローコスト
- ローリスク
- スピーディー
- 分析の容易さ
ほぼコストがかからない状態で始めることが出来る上に、リスクも低く、正しく実践すれば早々に利益を生み出すことが出来ます。
また、客層の分析が容易であることから、成果が出ないのであれば路線を変更して再びマーケティングをし直すことも出来るのです。
コンテンツマーケティングが主流となっている今、大切なことは、人を集めて、離さない、ファン化させることです。つまり、「集客」「接客」「再来訪」の3つがマーケティングのカギを握ります。それぞれにどのような手法があるのかをご紹介したいと思います。
Webマーケティングはコストをかけずに実施することも可能です。
集客施策
Webは多くの人が利用しています。そのため人を集めるのは簡単だと思われがちですが、実際はそんなことありません。戦略的なマーケティングを施すことで、集客を実践することが可能になります。
SEO
前述したとおり、検索エンジンに対して最適化を行うことで、検索結果の表示順位を上げる方法です。上位に表示されることでWebページを訪問してくれる人も増加し、多くの集客につなげることが出来ます。
リスティング広告
リスティング広告とはYahooやGoogleなどの検索エンジンで検索結果と一緒に表示される広告のことを言います。人の目につくように配置されるので効果が高いです。また、検索ワードに応じて広告が表示されるので、興味を持っている人に対して広告を表示することが可能です。閲覧された分だけ対価を支払う設定にすることも出来ます。
アフィリエイト広告
通常の広告は掲載されて閲覧されると広告費用が発生しますが、アフィリエイト広告はユーザーがその商品を購入するなどした場合に費用が生じます。広告を出す側からすると、購入された場合にのみ対価を支払えばよいのでコストパフォーマンスは良いと言えます。しかし、広告の質であったり商品に対する魅力が薄い場合は成果に結びつきづらいデメリットもあります。
アドネットワーク
通常の広告は広告を表示するWebサイト等に対して個別に出稿する必要がありますが、アドネットワークでは一度出稿すると、アドネットワークに協賛しているWebサイトに対して自動で広告を掲載してくれます。つまり、多くの関連Webサイトに掲載される上に手間がかからず簡単であるメリットがあります。閲覧数やクリック率などを簡単に分析できるので、その分析結果に応じた表示サイトを選択できます。
SNS広告
TwitterやInstagramなどのSNSに対して表示する広告のことを指します。SNS利用者数増加に伴い、閲覧数もそれなりの数を見込めるでしょう。SNSは拡散力が強く、ユーザーの目に留まれば勝手に拡散されてゆくため、広告としてはかなりの効果を発揮します。一方的に広告を発信できるのもメリットと言えます。これからはSNS広告の時代、と言われるほどSNS広告は増加しています。
SMM
SMMとはSocial Media Marketingの略で、広告主がSNSのアカウントを作り、宣伝する方法です。現在でも有名企業のTwitterが有名になっていますが、あれもSMMのひとつであると言えます。
アカウントを作成するだけで情報を発信することが出来るので、費用ナシで始めることが出来る広告の方法と言えます。
このような、無料で情報を発信する場合、発信する情報の質を高める必要があります。
接客(回遊)施策
集客施策によって獲得したユーザーを離さないためにもWebコンテンツの質を高めることが必要不可欠です。顧客のココロをがっちり掴むためにも接客施策をきちんと施すことが大切です。接客施策として以下のようなものがあります。
LPO
LPOとはLanding Page Optimization の略であり、ランディングページ(ユーザーが最初に訪れるページのこと)の最適化を指します。Webページを訪れたユーザーに対して購入意欲を高める内容であったり、何かしらの収益につながるような行動をとってもらえるようなページ構成にすることを指します。この収益化につながる行動をとられた割合をコンバージョン率といい、Webマーケティングにおいては重要視すべき項目と言えます。
SEO対策とLPO対策には共通する項目もあり、同時に行うことでより高いコンバージョン率を目指すことが可能となります。
EFO
EFOとはEntry Form Optimization の略であり、入力フォームを最適化することを言います。サイトに到達したとしても入力フォームが複雑であったりすると、ユーザーの購入意欲は減少してしまいます。結果としてコンバージョン率の低下に繋がり、マーケティングとしては失敗と見なさざるを得ません。入力フォームを簡略化して、ユーザーが入力する情報を減らすこともWebマーケティング手法としては大きな意味を持ちます。
再来訪施策
Webマーケティングにおいて、ユーザーをファン化して再来訪を狙うことはとても重要です。これを施すことで、集客をしなくともサイトを訪問してくれるようになり、信頼感の増加にもつながります。再来訪施策として以下のようなものがあります。
リターゲティング広告
あるショッピングサイトを閲覧していると、他のページの広告でちょうど自分が見ていた商品が紹介されていた経験はないでしょうか?あれはたまたまではなく、リターゲティング広告というWebマーケティングの手法なのです。
リターゲティング広告では、一度でもサイトに訪問したユーザーに対して他サイトの広告枠上に広告を表示させることで、再度訪問してもらうように促します。
購入サイトではユーザーの9割は購入せず、ページを離脱してしまいます。このようなユーザの再獲得に向けてリターゲティング広告が有効となります。
メールマーケティング
「今どきメールでマーケティング!?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、メールを利用しているユーザは今日でも多くいます。10代、20代でこそSNSを利用する傾向がありますが、それ以上の世代にとってはメールが最も多く使われている連絡手段です。このメールを用いてマーケティングすることには大きな意味があります。
メールマーケティングではメルマガとは違い、個人個人に一番必要とされる内容を配信されます。一斉送信されるわけではない分、個人への訴えは強くなります。また、情報が自分のみに配信されるという特別感を与えることで信頼感の向上、結果としてユーザーの再来訪獲得となります。
まとめ
以下にWebマーケティングのメリットをまとめてみました。
- ローコスト
- ローリスク
- スピーディー
- 分析の容易さ
今回の記事では、Webマーケティング初心者の方向けにWebマーケティングの基本的な情報をお伝えしてきました。Webマーケティングの概要、手法などを知ってもらうことでこれからの施策に生かしていただければ幸いです。