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分かりやすい要件定義書の書き方

分かりやすい要件定義書の書き方

はじめに

要件定義書は、Webサイト制作のために必要な要件を明確にするための文書で、Webサイト制作に携わるすべてのステークホルダー(クライアント、デザイナー、開発者など)が同じ目標を達成するためのガイドラインにもなります。

要件定義書はWebサイトのターゲットユーザー、コンテンツ、デザイン、機能、費用などに関する要件を明確に記載します。このため、Webサイト制作のプロジェクトにおいて、時間と資金を効率的に使用することができ、制作期間や費用が予想されるため、クライアントとの間での認識の一致も図れます。

以上のことから、要件定義書はWebサイト制作において非常に重要な役割を果たします。関連するすべてのステークホルダーが要件定義書を遵守することで、Webサイト制作は成功に向かうことができるのです。

要件定義書の構成

要件定義書は以下のような構成になっております。簡単に説明していきます。(※一般的な構成ですので、必ずしも同じでなくても構いません。)

目的

目的については以下のようなことを書くと良いと思います。

  1. 概要:

    Webサイトの制作目的を簡潔にまとめます。ここでは、Webサイトが持つビジネス目標、掲載するコンテンツなどを紹介します。

  2. 詳細:

    Webサイトの制作目的を詳細に説明します。ここでは、Webサイトが持つビジネス目標を具体的に述べます。また、掲載するコンテンツの詳細も紹介します。

  3. 評価基準:

    Webサイトの制作目的が達成されたかどうかの評価基準を示します。ここでは、Webサイトのアクセス数やユーザーからのフィードバックなどを記載します。

このような書き方をすることで、Webサイト制作のターゲットが明確になり、開発チームもWebサイトの制作目的に向けて作業することができます。また、後でWebサイトの制作過程を評価する際にも参考になります。

ターゲットユーザー

ターゲットユーザーについての以下のようなことを書くと良いと思います。

  1. ターゲットユーザーの属性:

    年齢、性別、職業、地理的属性などを記載します。

  2. ターゲットユーザーのニーズ:

    ターゲットユーザーがWebサイトを利用する理由や求める情報などを記載します。

  3. ターゲットユーザーの行動と意識:

    ターゲットユーザーがWebサイトを利用する方法や興味のあるトピックなどを記載します。

このようにターゲットユーザーに関する情報を記載することで、Webサイトの制作者はターゲットユーザーに合わせたWebサイトを制作することができます。また、要件定義書に記載されたターゲットユーザーに関する情報は、後でWebサイトの運用においても参考にすることができます。

コンテンツ

コンテンツについては以下のようなことを書くと良いと思います。

  1. コンテンツの種類:

    Webサイトに含まれるコンテンツの種類(ブログ記事、商品カタログ、フォーム、マップなど)を記載します。

  2. コンテンツの詳細:

    各コンテンツについての詳細情報(タイトル、内容、画像など)を記載します。

  3. ナビゲーション:

    Webサイト内のコンテンツのナビゲーション(メニュー、サブメニュー、フッターなど)についての設計に関する要件を記載します。

  4. 検索機能:

    Webサイト内の検索機能(キーワード検索、タグ検索など)についての要件を記載します。

このようにコンテンツに関する情報を記載することで、Webサイトの制作者はWebサイトのコンテンツに関する要件を明確にすることができます。また、要件定義書に記載されたコンテンツに関する情報は、後でWebサイトの運用においても参考にすることができます。

機能

機能については以下のようなことを書くと良いと思います。

  1. 基本機能:

    Webサイトに含まれる基本的な機能(ページ表示、ナビゲーション、コンテンツ検索など)を記載します。

  2. ユーザーアカウント:

    Webサイトで利用するユーザーアカウント(サインアップ、サインイン、パスワード変更など)に関する機能を記載します。

  3. E-commerce機能:

    Webサイト上での商品販売(商品のカートへの追加、注文確認、支払いなど)に関する機能を記載します。

  4. フォーム機能:

    Webサイト上でのフォーム(お問い合わせフォーム、サインアップフォームなど)に関する機能を記載します。

このように機能に関する情報を記載することで、Webサイトの制作者はWebサイトの機能に関する要件を明確にすることができます。また、要件定義書に記載された機能に関する情報は、後でWebサイトの運用においても参考にすることができます。

デザイン

デザインについては以下のようなことを書くと良いと思います。

  1. デザイン要件:

    Webサイトの視覚的なイメージ(カラー、フォント、レイアウトなど)を明確にするための要件を記載します。

  2. ブランディング:

    Webサイトが所属する企業のブランディング(ロゴ、トーン、イメージなど)に合わせてデザインすることが求められる場合、これらの要件を記載します。

  3. レスポンシブデザイン:

    どのデバイスでも正確に表示されるようにするための要件を記載します。タブレットの表示はどうするか?スマホの横向き表示は?なども記載しておくと良いでしょう。

  4. ユーザーエクスペリエンス:

    Webサイトを利用するユーザーが望む視覚的なインターフェイスや操作性を記載します。

このようにデザインに関する情報を記載することで、Webサイトの制作者はWebサイトの視覚的なイメージに関する要件を明確にすることができます。また、要件定義書に記載されたデザインに関する情報は、Webサイトのデザインに関する意思決定時に参考にすることができます。

タイムライン

タイムラインには以下のようなことを書くと良いと思います。

  1. 重要なマイルストーン:プロジェクトの進捗状況を確認するための重要な段階を示します。
  2. 予定日:マイルストーンが達成される予定日を明確にします。
  3. 工数見積もり:各タスクが完了するまでに要する時間を算出します。
  4. プロジェクトリソース:必要な人員、技術などを明確にすることで、プロジェクトのスケジュールに影響する要因を把握します。

このようなポイントを踏まえて、要件定義書内にタイムラインを明確かつ簡潔に記載することが大切です。

要件定義書内のタイムラインとは別に詳細のスケジュールを別途提出することが多いです。要件定義書内ではプロジェクトの全体のポイント、流れが分かるようにすると良いと思います。

運用について

公開までして、運用はクライアント側で担当する場合もありますが、継続して運用フェーズに入ることも多々あります。

そのことを踏まえ要件定義書にも運用について記載しておきましょう。

内容については以下のようなこと書くと良いと思います。

  1. 運用の説明:

    どのような運用をしていくのか、また運用に必要なことを説明します。

  2. メンテナンス:

    Webサイトの機能やコンテンツなどを定期的に確認・更新することを示します。

  3. セキュリティ:

    Webサイトのセキュリティに関する要件を明確にします。これは、Webサイトにアクセスするユーザーの情報や個人情報を保護することが重要です。

  4. 更新:

    Webサイトを更新する頻度や手順について記載します。

  5. バックアップ:

    Webサイトのデータを定期的にバックアップすることを示します。これは、何かトラブルが発生したときにデータを回復するために重要です。

このように、要件定義書内に運用に関する項目を記載することで、Webサイトの制作と運用に関する要件が明確になります。

まとめ

この記事では、分かりやすい要件定義書の書き方を説明させていただきました。要件定義書はWebサイト制作のための重要な文書であり、不可欠です。要件定義書を正確かつ分かりやすく書くことで、Webサイト制作のスムーズな進行と効率的な開発が期待できます。