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完全初心者でも分かる!Webサーバーの基本的な仕組みと使い方

完全初心者でも分かる!Webサーバーの基本的な仕組みと使い方

はじめに

デザインやコーディングのことが分かっている人でも、サーバーのことはさっぱりという方結構いると思います。そこで今回は「完全初心者でも分かる!Webサーバーの基本的な仕組みと使い方」をテーマに、Webサーバーについて詳しく解説していきます。Webサーバーの基本的な仕組みから、種類や使い方、セキュリティ対策や障害対策まで、初心者の方でも理解しやすいように丁寧に解説していきます。

Webサーバーの基本的な知識を身につけ、自分自身やビジネスでWebサイトを運営する際に必要なスキルを身につけましょう。

Webサーバーの基本的な仕組み

Webサーバーとクライアントの関係

Webサーバーは、インターネット上でWebページやWebアプリケーションを提供するためのコンピューターシステムのことです。Webサーバーは、クライアントからのリクエストに応じて、HTMLファイルや画像、動画、音声などのコンテンツを返します。

クライアントとは、Webサイトを閲覧するためにWebブラウザーを使用しているユーザーのことです。Webブラウザーは、ユーザーがWebサーバーにアクセスした際に、Webページのリクエストを送信し、Webサーバーから返されたコンテンツを表示します。

具体的には、以下のような流れでWebサーバーとクライアントが関係しています。

  1. ユーザーがWebブラウザーを使用してWebサイトにアクセスすると、Webサーバーにリクエストが送信されます。
  2. Webサーバーは、受け取ったリクエストに対して適切なHTMLファイルや画像、動画、音声などのコンテンツを返します。
  3. ユーザーのWebブラウザーは、Webサーバーから受け取ったコンテンツを表示します。

このように、Webサーバーはクライアントからのリクエストに応じて、コンテンツを返す役割を担っています。Webサーバーは、多くの場合、HTTP(HyperText Transfer Protocol)というプロトコルを使用して、クライアントと通信します。HTTPは、Webサイトのコンテンツをブラウザに転送するためのプロトコルであり、Webサーバーとクライアントの間の通信を円滑に行うために欠かせないものです。

HTTPとは

WebサーバーがWebページやWebアプリケーションを提供するために使用するプロトコルがHTTP(HyperText Transfer Protocol)です。HTTPは、クライアントとサーバー間での情報のやり取りを可能にするプロトコルであり、Webサイトのコンテンツをブラウザに転送するためのプロトコルでもあります。

HTTPの動作は、以下のような流れで行われます。

  1. クライアントからWebサーバーにリクエストが送信されます。リクエストは、HTTPリクエストメッセージと呼ばれる形式で送信されます。リクエストメッセージには、要求されたリソースのURL、HTTPメソッド(GET、POST、PUTなど)、HTTPバージョンなどが含まれます。
  2. Webサーバーは、受信したリクエストに対して適切なレスポンスを生成します。レスポンスは、HTTPレスポンスメッセージと呼ばれる形式で返されます。レスポンスメッセージには、ステータスコード(成功やエラーの状態を表す数字)、HTTPバージョン、コンテンツの種類、コンテンツの長さなどが含まれます。
  3. クライアントは、受け取ったレスポンスを処理し、Webページを表示します。

HTTPの特徴として、状態を保持しない(Stateless)プロトコルであることが挙げられます。つまり、HTTPは各リクエストが独立して処理され、前のリクエストと関連性を持ちません。このため、Webサーバーとクライアントは、各リクエストに対して必要な情報をすべて含める必要があります。また、HTTPはテキストベースのプロトコルであるため、ユーザーがブラウザで表示するWebページのコンテンツだけでなく、通信プロトコル自体を解析しやすいという利点があります。

PHPなどのスクリプトを使った動的なWebページの生成

Webサーバーは、静的なHTMLファイルの配信だけでなく、動的なWebページの生成にも対応しています。このような動的なWebページの生成には、PHP(Hypertext Preprocessor)などのスクリプトが使用されます。

PHPは、Webサーバー上で実行されるスクリプト言語であり、動的なWebページの生成やデータベースアクセスなどを行うことができます。PHPスクリプトは、Webサーバーが解釈してHTMLページとして出力されます。

これらのスクリプトを使用することで、Webページを動的に生成することができます。たとえば、フォーム入力に基づいてWebページを生成する場合、PHPスクリプトなどを使用して、入力されたデータを処理し、動的なWebページを生成することができます。また、Webサイト上でユーザーアカウントを作成する場合、データベースとのやりとりを行うことができます。このように、Webサーバーとスクリプトを組み合わせることで、Webページの動的な生成やデータの処理などを行うことができます。

Webサーバーの種類と比較

Webサーバーには、さまざまな種類があります。以下は、代表的なWebサーバーのいくつかとその特徴について説明します。

  1. Apache:

    Apacheは、最も広く使用されているWebサーバーの1つであり、オープンソースソフトウェアとして提供されています。Linux、Windows、macOSなどのさまざまなプラットフォームで動作し、多くのモジュールやプラグインをサポートしています。柔軟性が高く、拡張性があることが特徴です。また、オープンソースソフトウェアとして提供されているため、コスト面でも優れています。そのため、中小規模のWebサイトやブログ、オンラインストアなど、比較的規模の小さいWebサイトに適しています。

  2. Nginx:

    Nginxは、高速かつ軽量なWebサーバーとして知られており、特に高負荷なWebサイトでの使用に適しています。Nginxは、リバースプロキシや負荷分散などの機能を提供することができ、Apacheよりもメモリ使用量が少なく、同じ負荷下でより高いパフォーマンスを発揮することができるので大規模なWebサイトやアプリケーションにも適しています。

  3. IIS:

    IISは、Windows向けに開発されたWebサーバーであり、Microsoftによって提供されています。IISは、Windows ServerやWindows向けのWebアプリケーションの開発によく使用されます。IISは、Windows向けに最適化された機能を提供し、.NET Frameworkを使用したWebアプリケーションのホスティングに適しています。

これらのWebサーバーは、それぞれ独自の特徴を持っています。Apacheは柔軟性が高く、多くのプラグインやモジュールをサポートしています。Nginxは高速で、高負荷なWebサイトでの使用に適しています。IISはWindows向けに最適化された機能を提供し、.NET Frameworkを使用したWebアプリケーションのホスティングに適しています。どのWebサーバーを選択するかは、サイトの規模、ユーザー数、機能要件などに応じて決定する必要があります。

Apacheのインストールと設定

インストール方法

ここではApacheのWebサーバーのインストール方法を説明します。

1.Apacheのダウンロード

Apacheをインストールするためには、まずApacheの公式サイト(https://httpd.apache.org/)から、自分の環境に合わせたバージョンをダウンロードします。Windowsの場合は、バイナリインストーラーをダウンロードすることができます。

2.インストール

ダウンロードしたファイルを実行し、インストールウィザードに従ってインストールを行います。Windowsの場合は、通常のアプリケーションと同様に、インストール先のディレクトリやオプションを設定することができます。

3.設定ファイルの編集

インストールが完了すると、Apacheの設定ファイルである「httpd.conf」が自動的に生成されます。このファイルを編集することで、Apacheの動作や機能を設定することができます。

例えば、DocumentRootと呼ばれる、Apacheが提供するWebページのルートディレクトリを指定することができます。以下のように記述します。

DocumentRoot "C:/Apache/htdocs"
 

また、Listenと呼ばれる、Apacheがリクエストを待ち受けるポート番号を指定することができます。以下のように記述します。

Listen 80

このように設定ファイルを編集することで、Apacheの動作をカスタマイズすることができます。

4.Apacheの起動

設定が完了したら、Apacheを起動します。Windowsの場合は、「スタートメニュー」から「Apache HTTP Server」を選択し、「Apache Web Server」をクリックします。また、コマンドプロンプトから以下のように入力することでも起動することができます。

C:\> httpd.exe

Apacheが正しく起動すると、Webブラウザから「http://localhost/」にアクセスすることで、Apacheのトップページが表示されます。

以上が、Apacheを例にしたWebサーバーのインストールと設定方法です。設定ファイルの編集方法や、ポート番号の指定方法などは、Webサーバーの種類によって異なる場合がありますので、公式ドキュメントを確認しながら進めてください。

設定ファイルの編集やディレクトリの設定方法

Webサーバーのインストールが完了したら、次に設定ファイルの編集やディレクトリの設定を行うことで、Webサーバーをカスタマイズすることができます。以下では、Apacheを例に設定ファイルの編集やディレクトリの設定方法を説明します。

1.設定ファイルの編集

Apacheの設定ファイルは、httpd.confという名前で、通常はWebサーバーをインストールしたディレクトリ内のconfディレクトリに保存されます。この設定ファイルを編集することで、Apacheの動作や機能をカスタマイズすることができます。

以下は、httpd.confファイルの編集例です。

・DocumentRootの変更

DocumentRoot "/var/www/html"

この例では、Apacheが提供するWebページのルートディレクトリを、/var/www/htmlに変更しています。

・DirectoryIndexの変更

DirectoryIndex index.html index.php

この例では、Apacheがディレクトリを参照した際に最初に表示するファイル名を、index.htmlとindex.phpの順番で指定しています。

2.ディレクトリの設定

Webサーバーでは、ドキュメントルート以下のディレクトリに保存されたファイルをWebページとして提供します。Apacheでは、このドキュメントルートの場所はhttpd.confファイルで指定されます。

また、ドキュメントルート以下のディレクトリには、以下のような設定を行うことができます。

  • AllowOverride .htaccessファイルで設定を上書きすることを許可するかどうかを設定するオプションです。
  • Options Apacheが提供するオプションのうち、どのオプションを有効にするかを設定するオプションです。例えば、Indexesオプションを有効にすると、ディレクトリ内のファイル一覧が表示されるようになります。
  • Order, Allow, Deny アクセス制御を設定するオプションです。Orderはアクセス制御の順序を、Allowはアクセスを許可するIPアドレスを、Denyはアクセスを拒否するIPアドレスを指定します。

以上が、Apacheを例にした設定ファイルの編集やディレクトリの設定方法です。Webサーバーの種類によって、設定ファイルの場所や設定内容が異なる場合がありますので、公式ドキュメントを確認しながら進めてください。

Webサーバーのセキュリティ対策

Webサーバーのセキュリティ対策の必要性

Webサーバーはインターネット上で公開されることが多く、様々な攻撃の標的になりやすいシステムの1つです。例えば、以下のような攻撃が考えられます。

  • ディレクトリトラバーサル攻撃: 攻撃者が許可されていないファイルにアクセスできるようになる攻撃手法
  • SQLインジェクション攻撃: 攻撃者が不正なSQLコマンドをWebサーバーに送り込み、データベースを破壊する攻撃手法
  • ドス攻撃: Webサーバーに対して大量のアクセスを行い、サーバーをダウンさせる攻撃手法

これらの攻撃を受けると、Webサーバーが停止するだけでなく、重要な情報が盗まれたり、改ざんされたりすることもあります。そのため、Webサーバーにはセキュリティ対策が必要です。以下のような対策が考えられます。

  • パスワードの設定: Webサーバーの管理者やユーザーには強力なパスワードを設定し、定期的に変更するようにする。
  • SSL/TLSの利用: SSL/TLSを利用することで、通信内容を暗号化することができます。
  • アクセス制限の設定: WebサーバーにアクセスできるIPアドレスやユーザーを制限することができます。
  • バックアップの取得: 定期的にWebサーバーのデータをバックアップすることで、万が一の際にデータを復旧できます。
  • セキュリティパッチの適用: WebサーバーのOSやアプリケーションには、セキュリティ上の脆弱性が存在する場合があります。そのため、定期的にセキュリティパッチを適用する必要があります。

Webサーバーの障害対策と復旧方法

Webサーバーの障害対策

Webサーバーの障害対策は、サーバーの可用性を高めるために非常に重要です。以下に代表的な障害とその対策を説明します。

  1. ハードウェア障害

    ハードウェア障害には、サーバー本体の故障や電源の問題などが含まれます。ハードウェア障害に備えるためには、冗長構成を採用することが一般的です。例えば、複数のサーバーをクラスター化して冗長化を図る方法や、電源やハードディスクなどの冗長化を図るRAIDシステムの採用などが挙げられます。

  2. ネットワーク障害

    ネットワーク障害には、ネットワーク回線の故障やルーターの問題などが含まれます。ネットワーク障害に備えるためには、冗長構成を採用することが一般的です。例えば、複数の回線を接続して冗長化を図る方法や、DNSのラウンドロビン方式を採用する方法などが挙げられます。

  3. ソフトウェア障害

    ソフトウェア障害には、Webサーバーソフトウェアの不具合や設定ミスによる問題が含まれます。ソフトウェア障害に備えるためには、定期的なバックアップを取ることや、サーバー監視ツールの導入などが挙げられます。また、Webサーバーを仮想化することで、仮想サーバーの障害が発生した場合にも、他の仮想サーバーでサービスを継続できるようになります。

  4. 自然災害

    自然災害には、地震や洪水などが含まれます。自然災害に備えるためには、バックアップデータの保管場所を別の地域に設定することや、複数のデータセンターを利用することが挙げられます。

以上のように、Webサーバーの障害対策には、冗長構成の採用やバックアップの取得、監視ツールの導入などが必要です。これらの対策は、Webサービスの可用性を高めるだけでなく、サービス停止による影響を最小限に抑えることもできます。また、障害対策を計画する際には、どのような障害が起こりうるかを予測し、それに備えた対策を検討することが重要です。さらに、定期的な障害対策の見直しやテストを行うことで、障害に対する迅速な対応が可能になります。

バックアップやレプリケーション

Webサーバーの障害対策には、バックアップやレプリケーションなどの方法があります。まず、バックアップは、定期的にデータや設定情報を別の場所に保存することで、災害やシステム障害に備えることができます。バックアップは、手動で行うこともできますが、自動化ツールを利用することで手間を減らすことができます。

また、レプリケーションは、複数のサーバーに同じデータを複製することで、冗長性を高め、一つのサーバーが故障した場合でも、他のサーバーからサービスを提供できるようにする方法です。レプリケーションには、同期型や非同期型の方法があり、適切な方法を選択することが重要です。

さらに、障害復旧方法として、冗長構成を採用する方法もあります。冗長構成とは、複数のサーバーをクラスター化して、1台のサーバーがダウンしても他のサーバーでサービスを提供することができる構成です。冗長構成を採用することで、サービスの停止時間を最小限に抑えることができます。

以上のように、バックアップやレプリケーション、冗長構成などの方法を利用することで、Webサーバーの障害に備え、復旧することができます。

まとめ

今回はWebサーバーについて紹介しました。ディレクター、フロントエンドエンジニア、デザイナーなどは意外にサーバーについて分かってない方が結構います。ある程度エンジニアと話せるくらいの知識手に入れたいですね!今後もサーバーについては勉強して、いきましょう!