はじめに
議事録は、会議での議論や決定事項を記録する重要な文書です。正確な議事録は、将来の参照や、関係者による意思決定のために不可欠なものです。また、議事録は会議の参加者にとっても、会議の進行状況や決定事項を振り返る際に役立ちます。しかし、議事録を作成することは容易ではありません。議事録は的確で正確な内容を含む必要があり、同時に読みやすくわかりやすいものでなければなりません。この記事では、効果的な議事録の書き方について、基本的なルールやコツを紹介していきます。
議事録の準備
議事録の準備前に行うべきこと
議事録を作成する前に、以下のような準備を行うことが重要です。
- 目的と範囲の明確化：
議事録を作成する目的や対象となる会議の範囲を明確にすることが必要です。どのような情報を収集するか、どのような情報を含めるか、どのような情報を省くかを明確にしておくことが必要です。
- 資料の収集：
会議前に配布される資料や、会議中に提示された資料を収集しておくことが必要です。これらの資料は、議事録を作成する上での参考になります。
- 参加者の確認：
参加者のリストを確認し、参加者の名前や肩書きなどを把握しておくことが必要です。参加者が誰であるかを明確にしておくことで、議事録の内容を正確に記録できます。
- 機材の準備：
議事録を作成するために必要な機材（ノートパソコン、スマートフォン、ペン、紙など）を準備しておくことが必要です。また、必要に応じて録音機器を準備することもできます。ただし、録音する際には参加者の同意を得ることが重要です。
以上のように、議事録を作成する前に十分な準備を行うことで、より正確かつ効果的な議事録を作成することができます。
議事録作成に必要な情報
議事録を作成するにあたり、以下のような情報を収集する必要があります。
- 会議の日時、場所、出席者：
議事録には、会議の日時や場所、出席者のリストが含まれます。これらの情報は、議事録の文書化に必要な情報です。
- 議題や討議内容：
会議の議題や討議内容を収集することが必要です。これらの情報は、会議の進行状況を正確に把握するために重要です。
- 決定事項やアクションアイテム：
会議で行われた決定事項や、アクションアイテム（次に行うべき作業や課題）を収集することが必要です。これらの情報は、議事録の最も重要な部分の一つであり、将来の参照や実行に必要なものです。
- 資料やプレゼンテーション：
会議中に提示された資料やプレゼンテーション資料を収集することが必要です。これらの資料は、議事録の文書化に役立ちます。
- 参加者のコメントや提案：
参加者のコメントや提案を収集することが必要です。これらの情報は、会議の討議内容を詳細に把握するために重要です。
これらの情報を収集することで、正確でわかりやすい議事録を作成することができます。また、会議が長時間にわたる場合には、定期的に収集した情報を確認することで、議事録の正確性を保つことも重要です。
参加者から提供される資料
会議の参加者から提供される資料には、以下のようなものがあります。
- プレゼンテーション資料：
会議中に提示されるプレゼンテーション資料は、会議の内容を理解する上で非常に重要です。プレゼンテーション資料には、グラフや図表、説明文などが含まれることがあります。これらの情報は、議事録を作成する際にも役立ちます。
- 報告書や提案書：
会議前に参加者に配布される報告書や提案書も、議事録作成に役立ちます。これらの資料には、重要な情報が含まれることがあり、会議中に参照することで、討議内容の理解を深めることができます。
- メールやチャットのやりとり：
会議前に参加者間で行われたメールやチャットのやりとりも、議事録作成に役立つことがあります。これらのやりとりには、会議の準備やアイデアのやりとりなど、議事録に含めるべき情報が含まれていることがあります。
- その他の資料：
会議前に参加者から提供されるその他の資料には、統計データや調査資料、報告書などがあります。これらの資料は、議事録の作成にあたり、参考にすることができます。
参加者から提供される資料は、議事録作成に欠かせないものです。これらの資料を適切に収集し、議事録に含めることで、より正確かつ詳細な議事録を作成することができます。
議事録の書き方
議事録の書き方の基本的なルール
議事録を作成する際には、以下の基本的なルールを守ることが重要です。
- 記録する内容を明確にする：
議事録に含める内容を明確にし、どのような情報を記録するかを決定します。議事録には、会議の日時や場所、出席者の名前、議題、決定事項など、必要な情報を含めることが重要です。
- 簡潔に書く：
議事録は簡潔かつ明確に書くことが重要です。冗長な表現や余分な情報を避け、必要な情報のみを含めるようにしましょう。また、文章は明確で、読みやすいように書くことが望ましいです。
- 言葉遣いに注意する：
議事録は公式文書として扱われることがあります。そのため、言葉遣いには注意が必要です。丁寧で正確な言葉遣いを心がけ、敬称や肩書きなどを正確に表記するようにしましょう。
- 時間順に記録する：
議事録は、会議の進行に沿って、時間順に記録するようにしましょう。また、重要な情報は、できるだけ早めに記録するようにし、後から追加することは避けるようにしましょう。
- 決定事項を明確にする：
会議で決定された事項については、明確に記録するようにしましょう。決定事項には、採択された提案や決定された行動計画などが含まれます。
これらの基本的なルールに従い、明確で正確な議事録を作成することが大切です。
議事録の読みやすさを確保する方法
議事録は、多くの場合、会議に出席しなかった人や後から参加した人が読むことになります。そのため、議事録の読みやすさを確保することが重要です。以下に、読みやすい議事録を作成するための方法をいくつか紹介します。
- レイアウトを整える：
議事録のレイアウトを整え、見出しや段落を明確にすることで、読みやすさを確保することができます。また、文字の大きさや色なども、読みやすさに影響を与えるため、適切に調整するようにしましょう。
- 重要な情報を強調する：
議事録に含まれる重要な情報は、目立つように強調することが望ましいです。例えば、決定事項やアクションアイテムなどは、太字や下線などを使って強調すると良いでしょう。
- 読み手に合わせた表現を用いる：
議事録は、読み手によって異なる場合があります。そのため、読み手に合わせた表現を用いることが大切です。業界固有の用語や略語などは、できるだけ避け、わかりやすい言葉を使うようにしましょう。
- 簡潔で明確な文章を書く：
議事録は、冗長な表現や余分な情報を避け、簡潔で明確な文章を書くことが望ましいです。また、文章を短くまとめ、要点を端的に伝えるようにしましょう。
- 視覚的な要素を活用する：
図や表などの視覚的な要素を活用することで、読みやすい議事録を作成することができます。特に、数値や統計などの情報は、グラフや表にまとめて示すことで、わかりやすくなります。
これらの方法を用いて、読みやすくわかりやすい議事録を作成することができます。ただし、読み手のニーズに合わせたカスタマイズや、会社や団体のルールに従うことも重要です。
議事録に必要な情報の種類
議事録に必要な情報の種類は、会議の目的や内容、会議参加者の役割によって異なりますが、一般的には以下のような情報が含まれます。
- 日付、時刻、場所：
議事録には、会議が開催された日付、時刻、場所が記載されます。
- 参加者：
会議に参加した人の名前や役割、欠席者の情報などが含まれます。
- 議題と討議内容：
会議で取り上げた議題や討議内容が記載されます。議題には、具体的なタイトルが付けられ、討議内容には、発言者や意見、議論の結果などが含まれます。
- 決定事項：
会議で決定された事項や結論が含まれます。例えば、投票の結果、意見の一致による決定などが含まれます。
- アクションアイテム：
会議で課題や改善点が指摘された場合、改善策や対応策、担当者や期日などが含まれます。
- 参考資料：
会議で使用された資料やプレゼンテーション資料などが含まれます。これらの資料は、議事録の中で参照できるように、適切に記載されます。
- 承認・確認事項：
会議の最後には、議事録の承認や確認が行われます。承認や確認の結果、修正点や補足事項がある場合は、それらも議事録に含まれます。
これらの情報を適切に記載することで、議事録は会議の成果や進捗を明確に伝えることができます。また、必要に応じて、会社や団体のルールに従った情報の追加や削除が行われることもあります。
議事録のフォーマット
議事録のフォーマット
議事録のフォーマットは、会社や団体によって異なる場合がありますが、一般的なフォーマットは以下のようになります。
- 会議の日付、時刻、場所
- 参加者のリスト
- 議事録の目次
- 各議題の詳細な記録
- 決定事項のサマリー
- アクションアイテムのリスト
- 参考資料のリスト
- 承認・確認事項
議事録は、できるだけ簡潔で読みやすい形式で記載することが望ましいです。フォーマットを一貫して使用することで、議事録を作成する人や読む人にとって、情報を追跡しやすく、理解しやすくなります。
また、議事録のフォーマットを一定にすることで、会議ごとに同じフォーマットを使用するため、議事録の品質が向上し、より使いやすくなる場合があります。
議事録の見出し、箇条書き、段落の書き方
議事録の見出し、箇条書き、段落の書き方について以下に説明します。
見出しの書き方
議事録では、各議題に対して見出しをつけることが一般的です。見出しは、その議題について簡潔かつ明確に要約する必要があります。また、議事録全体の目次にもその見出しを含める必要があります。
例： 【見出し】新製品の発売について
箇条書きの書き方
議事録では、アクションアイテムや決定事項などの重要なポイントを箇条書きでまとめることが一般的です。箇条書きを使用することで、情報の整理と可読性が向上します。また、箇条書きの項目は、必要な情報を簡潔にまとめる必要があります。
例：
- 新製品の発売日を5月1日に設定する。
- 新製品のマーケティングキャンペーンを実施する。
- 新製品の在庫管理は、販売部門が担当する。
段落の書き方
議事録では、各議題について詳細な記録を残す必要があります。段落を使用することで、情報を整理し、読みやすくすることができます。また、段落は、1つのテーマについてまとめられた情報を表現するためにも使用されます。
例： 新製品についての討議の中で、商品の価格戦略について意見交換が行われました。参加者は、販売価格が競合他社よりも低く設定されていることに同意しました。その後、新製品のマーケティングキャンペーンに関する討議が行われ、参加者は、オンライン広告に重点を置くことに同意しました。最後に、新製品の在庫管理についても話し合われ、販売部門が責任を持つことになりました。
議事録の精査
議事録を書いた後の確認すべき点
議事録を書いた後には、以下の点を確認することが重要です。
- 誤字や脱字がないか
議事録を書き終えたら、誤字や脱字がないかを確認します。これは、読み手にとって議事録が読みやすく、信頼性が高いと感じられるため、非常に重要な点です。
- 議事録の内容が完全かつ正確かどうか
議事録の内容が完全かつ正確であることを確認することも重要です。これには、議事録が会議の目的や決定事項、アクションアイテムに関する情報を適切に伝えているかを確認することが含まれます。
- 書式やフォーマットが統一されているか
議事録の書式やフォーマットが統一されていることを確認することも重要です。これには、見出しや箇条書きの形式、段落の長さなどが一貫しているかどうかを確認することが含まれます。統一された書式やフォーマットは、読み手にとって議事録を読みやすくすることができます。
- 全てのアクションアイテムが明確かつ実行可能か
会議で話し合われたアクションアイテムが、議事録に明確かつ実行可能な形で記載されているかどうかも確認する必要があります。アクションアイテムが明確になっていない場合、実行に移すことが難しくなるため、必要に応じて再度確認する必要があります。
これらの点を確認することで、議事録が読みやすく、正確で、実用的なものになることができます。
議事録の正確性を確認するための方法
議事録の正確性を確認するためには、以下のような方法があります。
- 参加者への確認
議事録を作成した後、参加者に確認してもらうことで、議事録の正確性を確認することができます。参加者には、自分が発言した内容や取り決め、アクションアイテムの正確性を確認してもらいます。
- 資料の確認
議事録作成のために使用した資料や文書を再度確認することで、議事録の正確性を確認することができます。資料に記載された内容と、議事録に記載された内容が一致しているかを確認することが重要です。
- 時間的な整合性の確認
議事録に記載された日時、場所、出席者、議題などが、実際の会議と一致しているかどうかを確認することが重要です。また、議事録中の時系列の整合性も確認する必要があります。会議の進行や発言の流れが正確に記載されているかどうかを確認しましょう。
- 記述の一貫性の確認
議事録に記載された情報が、一貫しているかどうかを確認することが重要です。たとえば、議事録において特定の決定や取り決めが言及されている場合、それが他の箇所でも一貫して言及されているかどうかを確認することが必要です。
これらの方法を使用することで、議事録の正確性を確認することができます。
まとめ
効果的な議事録を書くためには、準備段階で情報収集を行い、参加者から提供される資料を活用することが大切です。また、基本的なルールを守り、見出しや箇条書き、段落などのフォーマットを正確に守ることも重要です。読みやすさを確保するためには、文章を簡潔明瞭にまとめ、重要な情報を強調することが必要です。最後に、書き終わった議事録をチェックする際には、正確性を確認することが必要です。これらのポイントを押さえることで、会議の要点を的確に伝える効果的な議事録を書くことができます。
