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ヘッドレスCMSの導入メリットとデメリット

ヘッドレスCMSの導入メリットとデメリット

はじめに

ヘッドレスCMSは、コンテンツ管理システム (CMS) の一種です。通常のCMSは、Webサイトを構築するためのテンプレートと、そのテンプレートにコンテンツを埋め込むことができる管理画面を提供します。一方、ヘッドレスCMSは、テンプレートの機能を持たない純粋なコンテンツ管理システムです。これにより、フロントエンド (Webサイト表示部分) とバックエンド (コンテンツ管理部分) を分離することができます。

このような構造により、Webサイトの構築・運用がより効率的になります。また、複数のデバイスやプラットフォームに対応することも容易になります。さらに、開発者はフロントエンドとバックエンドを別々に開発することができ、高い自由度を持ってWebサイトを構築することができます。

ヘッドレスCMSのメリット

ヘッドレスCMSのメリットについて説明していきたいと思います。

主にメリットは4つあると思います。

  1. 高速なページの読み込み
  2. フロントエンド・バックエンドの自由度
  3. コンテンツとデザインの分離
  4. 運用がシンプルに

それではそれぞれについて説明していきます。

高速なページの読み込み

ヘッドレスCMSのメリットの1つ目として高速なページの読み込みが挙げられます。ヘッドレスCMSはフロントエンドとバックエンドを分離していることから高速でページを読み込むことができます。

通常のCMSでは、サーバーサイドでテンプレートエンジンを使ってWebサイトのHTMLを生成します。このため、Webサイトを読み込むたびにサーバーとのやりとりが必要になります。一方、ヘッドレスCMSでは、サーバーサイドではコンテンツを提供するだけで、WebサイトのHTML生成はフロントエンド側で行われます。このため、サーバーとのやりとりが少なくなり、ページの読み込み速度が向上します。

また、ヘッドレスCMSでは、Webサイトのコンテンツを静的なファイルとして保存することもできます。これにより、静的サイトジェネレーターを使ってWebサイトを生成することができ、サーバーとのやりとりがさらに減少します。これにより、より高速なページの読み込み速度を実現することができます。

フロントエンド・バックエンドの自由度

ヘッドレスCMSのメリットの2つ目としてのフロントエンド・バックエンドの自由度が高い点が挙げられます。ヘッドレスCMSは、フロントエンドとバックエンドを分離していることからフロントエンド・バックエンドの自由度が高くなっています。

通常のCMSでは、テンプレートエンジンを使ってWebサイトのHTMLを生成しますが、このテンプレートはCMSに組み込まれたものとなっています。このため、Webサイトの表示形式に制限が生じます。一方、ヘッドレスCMSでは、フロントエンドとバックエンドを分離することで、フロントエンド側にもっとも適したテンプレートエンジンやフレームワークを選択することができます。このような環境で開発することで、開発者の自由度が大きく向上します。

また、バックエンドも同様に自由に開発することができます。APIを提供することで、複数のフロントエンドアプリケーションからコンテンツを取得することができます。このような環境で開発することで、バックエンド側の開発者も自由度が大きく向上します。

このようなフロントエンド・バックエンドの自由度により、Webサイトの構築・運用がより効率的になります。さらに、より高品質なWebサイトを構築することも可能になります。

コンテンツとデザインの分離

ヘッドレスCMSのメリットの3つ目としてのコンテンツとデザインの分離が挙げられます。

通常のCMSでは、コンテンツとデザインが統合されています。このため、コンテンツとデザインの両方を変更する際に、両方を同時に変更する必要があります。これに対して、ヘッドレスCMSでは、コンテンツとデザインを分離することで、コンテンツとデザインを独立に開発・管理することができます。

例えば、コンテンツの変更に伴い、デザインを変更する必要がある場合、通常のCMSでは、デザインを変更するためにもう一度テンプレートを修正する必要がありますが、ヘッドレスCMSでは、コンテンツを変更するだけで済みます。このような分離により、コンテンツの変更や更新がよりスムーズになり、コンテンツの変更に伴い、デザインを変更することも容易になります。

さらに、コンテンツとデザインの分離により、開発・運用のタスクが明確になり、効率的な開発・運用が可能になります。また、コンテンツとデザインを別のチームが担当することもできるため、チーム間のタスクの分担もより明確になります。

このようにコンテンツとデザインの分離により、Webサイトの開発・運用がより効率的かつスムーズになり、より高品質なWebサイトを構築することも可能になります。

運用がシンプルに

ヘッドレスCMSのメリットの4つ目としてとしての運用がシンプルになるということが挙げられます。少し3つ目のメリットと似ていますが。

ヘッドレスCMSは、フロントエンドとバックエンドを分離してるため、バックエンド側ではコンテンツの管理のみを行い、フロントエンド側では表示のみを行うことができます。これにより、運用のシンプルさが向上します。

ヘッドレスCMSはAPIを介してコンテンツを取得するため、通常のCMSよりも軽量なため、サーバーの負荷が軽減されます。これにより、運用のシンプルさが向上し、Webサイトの読み込み速度も向上します。

ヘッドレスCMSをすることによって、運用がシンプルになり、Webサイトの開発・運用をよりスムーズにすることができます。また、コンテンツの管理・表示の分離により、より高品質なWebサイトを構築することも可能になります。

ヘッドレスCMSのデメリット

それでは次にヘッドレスCMSのデメリットについて説明していきたいと思います。

主にデメリットも4つあると思います。

  1. 開発者スキル要件の厳しさ
  2. 複数の技術の併用
  3. セキュリティリスク
  4. 費用対効果の検討が必要

それではそれぞれについて説明していきます。

開発者スキル要件のレベルがあがる

ヘッドレスCMSのデメリットの1つ目としての開発者スキル要件について挙げられます。

ヘッドレスCMSは、フロントエンドとバックエンドを分離しています。このため、開発者は、フロントエンド・バックエンド両方に精通している必要があります。また、APIを介してコンテンツを取得するため、API開発の知識も必要になります。

このような開発者スキル要件が厳しくなるため、Webサイトの開発に時間や費用がかかることがあります。また、開発者が入れ替わる場合等も、新しい開発者がすぐに開発を行えるわけではないため、Webサイトの運用においても問題が生じる可能性があります。

このような点から、ヘッドレスCMSは、スキルが高いWebサイト開発者が必要と言えます。また、大規模なWebサイトを構築する際には、開発者のスキルに加えて、システム構築の費用や技術的な問題なども考慮する必要があります。

複数の技術の併用

ヘッドレスCMSのデメリットの2つ目としての複数の技術を併用しなくてはいけないという点が挙げられるかと思います。

1つ目と少し似ていますが、ヘッドレスCMSでは、フロントエンドとバックエンドを分離することで、フロントエンド・バックエンド両方の技術が必要になります。

例えば、フロントエンドではJavaScriptフレームワーク、バックエンドではPHPなどのサーバーサイド言語を使用する場合があります。このような複数の技術を使用するため、Webサイトの開発や運用には、開発者のスキルに加えて、技術的な問題にも対応する必要があります。

また、複数の技術を使用することで、Webサイトのセキュリティやパフォーマンスの問題も生じる可能性があります。このような点から、ヘッドレスCMSを導入する際は、複数の技術を使用することによる開発・運用の負担を考慮する必要があります。

セキュリティリスク

ヘッドレスCMSのデメリットの3つ目にセキュリティリスクが挙げられると思います。ヘッドレスCMSには、セキュリティリスクもあります。

ヘッドレスCMSは、何度も言ってますがフロントエンドとバックエンドを分離しています。このため、攻撃者がバックエンドにアクセスできる場合があります。また、フロントエンド・バックエンドともに、様々な技術を使用することがありますので、これらの技術に脆弱性がある場合、攻撃者がWebサイトを攻撃することができます。

さらに、ヘッドレスCMSはAPIを使用することが多いため、APIの攻撃にも脆弱性があります。例えば、APIにアクセスできる権限が適切に設定されていない場合や、APIを介して不正な情報を取得することができる場合などがあります。

このような点から、ヘッドレスCMSを導入する際は、必ずセキュリティの観点から考慮することが重要です。開発者は、技術やAPIを使用する際に適切なセキュリティ対策を行い、Webサイトを安全に運用することが必要です。

費用対効果の検討が必要

ヘッドレスCMSのデメリットの4つ目は費用についてです。

ヘッドレスCMSを導入するためには、一定のリソースが必要です。開発者のスキルや開発者の数、テクノロジーやAPIの使用などに応じて、費用がかかることがあります。また、導入後も適切な運用が必要なため、運用費用もかかることがあります。

このような点から、ヘッドレスCMSの導入を検討する際は、費用対効果も必ず考慮することが重要です。例えば、導入することでWebサイトのパフォーマンスが向上することが期待できる場合や、開発者のスキルや開発者の数に応じて費用を抑えることができる場合など、費用と効果を比較して適切な決定をすることが大切です。

まとめ

この記事では、ヘッドレスCMSについて、メリットとデメリットを説明しました。

ヘッドレスCMSのメリットとしては、「高速なページの読み込み」「フロントエンド・バックエンドの自由度」「コンテンツとデザインの分離」「運用がシンプルに」などがあります。一方、デメリットとしては、「開発者スキル要件のレベルがあがる」、「複数の技術の併用」「セキュリティリスク」「費用対効果の検討が必要な点」などがあります。

このようなメリット・デメリットを踏まえ、ヘッドレスCMSを検討することが大切です。また、開発者のスキルや開発者の数に応じて、適切な選択ができるように検討することも重要になります。